本解析の特徴を以下に記す。
横浜市を網羅する人工地震データを全て用いて、タイムターム法により3次元的P波速度構造を推定した。
基盤のP波速度として4.8km/sと5.5km/sの二つを考慮し、人工地震データを選別し、両者についてそれぞれ解析を実施した。
(ロ)既存人工地震データの再解析結果
図3−2−9に既存人工地震データ再解析結果図を示す。以下に本解析結果を要約する。
4.8km/s層深度分布について
1.タイムターム法解析により基盤速度が4.76km/sと求められた。
2.既往の人工地震解析結果で指摘されているように、横浜市南東部において基盤の深い地域(金沢・神奈川・戸塚区東部等)が存在することが確認された。その深度は、3500m程度である。
3.横浜市北部にも基盤の深い地域(都筑・港北区)が存在することが今回の解析により新たに確認された。
4.8km/s層層厚について
1.4.8km/s層の下部に5.5km/s層が存在すると仮定し、4.8km/s層の層厚分布を求めた
2.既往の人工地震探査結果より指摘されているように、横浜市南部における4.8km/s層層厚が厚い地域(泉・金沢区等)と、北東部における4.8km/s層層厚が薄い地域(鶴見区等)が確認された。
3.横浜市北部において4.8km/s層層厚が厚い地域(都筑・港北区)が今回の解析により新たに確認された。