5−4−4 検証作業に用いた地震

速度構造モデルの検証に用いた自然地震は、次の2地震である。地震情報は,気象庁発表のものに基づく。これらの地震の震央位置(緯度及び経度は「日本測地系」)を、図5−4−4−1に赤色星印で示す。

・マグニチュードの小さい、やや深発近地地震(以下「地震A」と略記)

2001(平成13)年12月8日4時7分(日本標準時)

神奈川県西部地震(北緯35.5度,東経139.1度,24km深,M4.5)

・マグニチュードの大きい、浅発遠地地震(以下「地震B」と略記)

2000(平成12)年7月15日10時30分(日本標準時)

新島・神津島近海地震(北緯34.4度,東経139.3度,5km深,M6.3)

図5−4−4−1には、地震基盤面への入力波として用いた広帯域速度波形の観測地点である防災科学技術研究所のSGN地点(山梨県都留市)を併記した(図中の青色○印)。

上記の地震A及び地震Bの観測波形(水平2成分。SGN地点のみ速度波形、他の6地点は加速度波形)を、図5−4−4−2−1図5−4−4−2−2に示す。SGN地点に対する2成分の速度波形は、速度値2.5×10−3m/sを用いて振幅を規格化してある。また、SGN地点以外の6地点に対する2成分の加速度波形は、加速度値5.0×10−2m/s−2を用いて振幅を規格化してある。これらの図から、釜無川と笛吹川との合流点に近い観測地点KMI、SM、TMH及びWKSでは、観測されたS波の振幅が比較的大きいことがわかる。