ここでいう「基盤」とは、地震基盤に相当する地層であるが、前述したように盆地内のボーリングでこれに相当する地層を捉えたものは非常に少なく、重力データの解析結果から得られた断面図に示されているのみである。そこで、重力データの解析結果5測線から基盤上限に相当する線を拾い出し、これに周辺の地形から想定される盆状構造の輪郭をデータとして追加してモデルを作成した。データ間は2次のトレンドをかけて空間補間を行った。
重力データの解析結果では盆地の南縁と西縁は低角度の逆断層で境されると解釈されている。そこで、断面図から断層面の傾斜角度と側線上での地表との交点を拾い出した。さらに、測線と測線の間の断層のつながりは活断層デジタルマップに示された断層位置を参考として断層面モデルを作成した。断層面も125mの格子モデルとした。活断層デジタルマップでは複数の断層を断続的あるいは雁行状に示しているが、断層面モデルは単純化してひとつの面として扱った。なお、盆地南縁の断層は盆地東方では図示されていない。そこで、モデル上は次第に断層変位が小さくなるようにした。
図5−2−3−2と図5−2−3−3に西縁と南縁の二つの断層に囲まれた基盤モデルの形状を示す。
B.地層面
地層面は上位から上部礫層、韮崎岩屑流、中部礫層、黒富士火砕流および下部礫層の5層を作成した。ボーリングデータから各地層の境界点を抽出して空間補間を行って125m間隔の格子モデルとした。
なお、新第三紀相当層については、細区分するに足りるデータが得られなかったため、下部礫層を含めた第四紀層下限面と基盤上限面の間を新第三紀相当層とみなした。
図5−2−3−4、図5−2−3−5、図5−2−3−6、図5−2−3−7、図5−2−3−8、図5−2−3−9に作成した地層面モデルを示す。図5−2−3−4から図5−2−3−9は順次上位層を剥いでいく表示としている。また、図5−2−3−10に東西方向と南北方向のパネルダイヤグラムを示す。