ボーリングはオールコアボーリングとし、掘削時は地質状況に留意し、泥水、掘進荷重、回転速度などを適切に調整した。通常の保孔対策としてベントナイト泥水が用いたほか、緩い礫、砂などの地層や、逸水・湧水のある場合には、ケーシング・ロッド挿入を実施した。
採取コアは、振動や衝撃などを避け慎重に取り扱い、乾燥を避けるためにビニールフィルムなどで覆い、保管箱に納めた後、コア倉庫に搬入した。なお、掘削全長500.00mに対するコア採取率は72.6%(スライムは含まない)であった。
以下、各段ごとの掘削・検層・保孔について記述する。
@第1段:(深度0.00〜5.40m区間)の掘削・検層・保孔
普通工法(掘削孔径:311mm)により深度5.4mまでオールコアリング掘削を行った。
深度5.4mまで掘削終了後、泥水を使用して拡孔し、10”ケーシングを挿入した。
A第2段:(深度5.40〜13.10m区間)の掘削・検層・保孔
普通工法(掘削孔径:219mm)により深度13.10mまでオールコアリング掘削を行った。
深度13.1mまで掘削終了後、泥水を使用して拡孔し、8”ケーシングを挿入した。
B第3段:(深度13.10〜164.80m区間)の掘削・検層・保孔
第3段の掘削方法は、深度13.10〜89.30mは普通工法(掘削孔径:194mm)、深度89.30〜164.80mはHQワイヤーライン工法(掘削孔径:98mm)によるオールコアリング掘削である。深度164.80mまで掘削終了後、孔内洗浄・物理検層を行った。物理検層終了後、泥水を使用して拡孔し、5”ケーシングを挿入した。
C第4段:(深度164.80〜215.90m区間)の掘削・検層・保孔
HQワイヤーライン工法(掘削孔径:98mm)により深度215.90mまでオールコアリング掘削を行った。第4段では一部深度でコア採取率が低下したため、ワイヤーライン工法を普通工法に切り替え、コア採取率の向上に努めた。
深度215.90mまで掘削終了後、孔内洗浄・物理検層を行った。物理検層終了後、泥水を使用して拡孔し、PQロッドをケーシング挿入した。
深度164.80mまで掘削終了後、泥水を使用して拡孔し、5”ケーシングを挿入した。
D第5段:(深度215.90〜401.40m区間)の掘削・保孔
HQワイヤーライン工法(掘削孔径:98mm)により深度401.40mまでオールコアリング掘削を行った。深度401.40mまで掘削終了後、HQロッドをケーシング挿入した。
深度164.80mまで掘削終了後、泥水を使用して拡孔し、5”ケーシングを挿入した。
なお、本段の深度352.20m付近で100〜150g/minの自噴が認められた。
E第6段:(深度401.40〜500.00m区間)の掘削・検層・保孔
NQワイヤーライン工法(掘削孔径:76mm)により深度500.00mまでオールコアリング掘削を行った。深度500.00mまで掘削終了後、物理検層・VSP探査を行った。物理検層・VSP探査終了後、ケーシングの引き上げを行った。