例えば、調査対象地域において地震基盤の上面深度が最も浅いと予想されるアレー地点K4では、図5−3−3−2に示したとおり、空間自己相関係数の高周波成分が正値のまま0に収束するなど、アレー半径の増加に伴って理論的に予想される変化から大きくはずれた状態となる。同様の傾向は、他のアレー地点でも散見する。
また、ほぼすべてのアレー地点について、アレー半径87m,346mおよび1,386mに対する空間自己相関係数を見れば明らかなとおり、同じアレー半径、同じ周波数であっても、アレー内部で空間自己相関係数が若干異なる値を示す地域が存在する。
いずれも、アレー直下の地殻構造が単純な水平多層構造ではないことの示唆であり、今後の探査目標として注目するべき課題の一つである。