図5−4−1は、前年度・本年度両調査における、空間自己相関法で利用可能なアレー半径分布の相違を示したものである。この図から明らかなとおり、本年度調査ではアレー半径の範囲が拡張されるとともに、アレー半径分布の偏りが前年度調査の場合よりも軽減した。アレー半径分布を一様にすることは、アレーの空間分解能を安定に保つ上で重要である。
また、最小アレー半径を前年度調査よりもさらに小さく設定したこと(200m→50m)によって、図5−3−4−8に示すように、1.0Hz以上の高周波数帯域に対する観測位相速度の推定精度が向上した。
なお、本年度調査における最大アレー半径は約2,800mであり、前年度調査時よりも約600m縮小している。しかし、調査対象地域の推定地震基盤の上面深度は高々2,000m程度と浅いため、最大アレー半径の縮小による影響は特に見られない。
図5−4−1 アレー半径分布(前年度調査および本年度調査)