図3−6−1、図3−6−2、図3−6−3、図3−6−4、図3−6−5、図3−6−6、図3−6−7、図3−6−8、図3−6−9に、反射法地震探査の現場モニター記録例を示す。図では人工震源(バイブロサイス)から生成された弾性波を、地表に設置した360カ所の受振点で同時に観測した波形を並べて表示してある。横軸は受振点位置、縦軸は弾性波の到達時間(往復走時時間、ミリ秒)に相当する。参考のために、5万分の1の地形図上に発震点・受振点をマークした測線図を対比した。なお、ここに示した発震記録では、発震点付近の状況(例えば民家に近いなど)によってスイープ回数が変わっていることに注意されたい。図3−6−1,図3−6−2,図3−6−5,図3−6−6,図3−6−7では30回、(c)では20回、(I)では15回、(d)では10回、(h)では5回、となっている。
記録例では、表層基底層を伝播した初動屈折波(直線的な波の並び)が確認できる。測線の南端(図3−6−9)では屈曲した国道358号線道路に沿って受振器が展開されているため、初動屈折波もそれに応じて屈曲して表現されている。初動屈折波は概ね発震点から100〜200チャンネルまでは明瞭に認められるが、それ以遠では初動が不明瞭になっている。また甲府駅前の繁華街ではノイズレベルが高く、初動がはっきりしない。
また測線中央部(図3−6−3,図3−6−4,図3−6−5,図3−6−6)では初動のほかにいくつかの双曲線的な波の並びが確認でき、これらは地下からの反射波に相当する(図3−6−5)では発震点付近LocNo.235で1.2秒辺りに認められる)。その他の記録例でも断片的に反射波が観測されているが、連続的に追跡することは難しい。