6−1−1 基盤構造

屈折波解析から求められる速度構造を含め反射面の検討を行うと図6−1を示すように本測線の中央付近では1秒付近の反射面が基盤と考えられる。反射面自体も比較的、追跡が容易である。但し、測線西側の市之瀬断層群付近(RP250)から西側と測線東側の曽根丘陵断層帯(RP800)の東側は反射面の追跡が困難である。

図6−2図6−1の反射時間断面に速度解析結果を考慮して深度断面に変換している。この結果から特徴的なのは盆地中央部でもある測線中央の速度より市之瀬断層群を含む西側と曽根丘陵断層帯を含む東側の速度が大きいため反射時間断面と反射深度断面が大きく異なる点である。図6−2の反射深度断面から基盤の形状を推定するとRP800(東)からRP300(西)に大きく傾斜し、RP450付近を境に急激に傾斜する傾向が認められる。深度的にはRP450からRP800は概ね深度1000〜1300m程度、RP300からRP450は概ね深度1300〜1800m程度、RP200からRP300は深度1800〜1900m付近が基盤と考えられる。これらの結果は図2−4でも示している既存資料とも概ね整合する。

図6−3は反射深度断面に速度解析の結果を重ねて表示したものである。この図からも既述したように、速度構造的には大きく@堆積盆中央、A堆積盆西側、B堆積盆東側の3つのブロックに区分される。なお、図では堆積盆の西側、東側で速度が垂直に近い形で速度変化があるように表現されているが、実際は漸移的に変化しているものと考えている。