5−2−3 作業手順

図5−6に作業手順を示す。事前準備として、都市計画図(1/10,000)より各観測点の地震計設置点の予備設定を図上で行い、それを基に観測場所の下見によって設置場所の確保、ノイズ源の有無等を確認した。三重正三角形の頂点に地震計を設置することが困難な場合や、その位置が交通ノイズなどのために良好な観測点でない場合は、アレー半径の5%の円内(誤差円と呼んでいる)で、できるだけ良好な微動の観測を行える場所を選定した。

地震計設置点が私有地の場合、所有者の許可を求めた。また、公道を使用する場合は、あらかじめ道路を管轄する各警察署から道路使用許可を得た。

観測は各点独立同時記録方式を採用し、地震計1台毎に記録器を設置して微動データを収録した。観測に際しては、地震計の水平を保ちつつ充分に地面と接するように注意した。地面が柔らかい場合には木製のスペーサを使用した。

観測スケジュールはあらかじめホストコンピュータから各記録器に転送し、決められた時間になると自動的に10台の観測機器が同時に動作するように設定した。さらに観測前後にGPSによる時刻校正を行い、観測開始時刻と終了時刻との確認を行った。

観測開始前に使用する機器を近接設置し、5分程度の微動観測を行うキャリブレーション(ハドルテスト)を実施し、使用機器の特性が揃っていることを確認した。

当調査地は日中も比較的静かであり、取得データの品質に車両等のノイズが影響しないと判断し、観測は昼間行った。

観測は約140分行い、データは100Hzのサンプリング間隔で取得した。

観測終了後、速やかに記録器を撤収し、各記録器のデータをホストコンピュータに転送し、品質を確認した。品質に問題が発生した場合、再観測を行うが、今回の取得データの品質は問題なく、再観測は行わなかった。

図5−6 作業手順