5−2−2 アレーの形状及びアレーサイズ

地震計配置は空間自己相関法の測定で用いられる円形アレー(実際は正三角形アレーの組み合わせ)とした。具体的には、図5−5に示すように共通の重心を持つ正三角形の各頂点および、重心の計10カ所(●印)に地震計を設置した。設置場所の決定は、観測地点を中心とした同心円上に配置できるような場所を探した。構造物や立入禁止場所および水上の場所等を避けるように三重正三角形の中心を軸として回転させ、裸地やアスファルト道路、コンクリート舗装の場所を探し出した。前述した条件を10点全て満たすような場所にアレーを配置した。

アレーサイズ(アレー中心点と正三角形の頂点との距離)は、解析できる表面波の波長に関係してくる。どの波長の表面波を解析する必要があるかは探査地域の地下構造に依存する。

調査地域にS波速度構造に関する信頼できる既存資料がある場合には、S波速度構造モデルを推定して表面波(レイリー波)基本モードの位相速度を試算し、それを求めるのに必要な周波数範囲をカバーできるようなアレーサイズを検討することができる。今回は、既存資料から当調査地域の地下構造は釜無川周辺を底辺とし、東西方向に浅くなる盆状構造であることが推定されている。また、地震基盤深度が深度2,000mと推定されていることから、アレー半径を図5−5に示すように200m/800m/2,000mと設定した。

図5−5 微動アレー配置図