・ 境川村のRP892からRP793までの区間は、RP892から緩やかに下りながら上寺尾集落(RP875−850)を抜け、中道町国道358号に至る。集落の部分では、アルミ製の受振器スタンドが使用されたが、多くの受振器は畑などの地面に直接設置することができた。周辺のノイズ源としては、自動車のノイズがあるが、通行量はそれほど多くない。しかしRP833の道路が工事現場の出入口となっており、ダンプなどの大型車の出入りが多少あった。またRP822に食品工場があるため、周辺では蒸気音のノイズが発生している状況にあった。
・ RP791からRP627までの区間は、甲府盆地内に入り、中道町の国道358号から中央自動車道まで、標高差はほとんど無い。測線は、国道358号沿いに西へ進み、RP753から北へ国道が屈曲し、笛吹川を越え、約300m(RP721)で西に向かう。大津町の集落で一部発震できないが、概ね発震可能であり中央道に至る。受振器設置は、路肩植え込み等が利用でき、スタンドの使用は少ない。周辺のノイズ源としては、自動車のノイズが主なものである。RP725には排水場があり、大型のポンプのノイズが考えられる。また変電所がRP651〜652にあるが、50Hzのインダクションノイズは小さかった。
・ RP626からRP450までの区間は、引き続き甲府盆地内であり、玉穂町、田富町を通り釜無川へ至る。身延線小井川駅周辺の上三条、布施の集落では人家が密集し、発震点の抜けが多くなる。また道が狭い割には交通量が多かった。受振器設置は、路肩植え込み等が利用できるためスタンドの使用は少ないが、バンチング設置(1個ずつの受振器を間隔を置かず、固めて隣接して設置する)が多い。
・ RP434からRP322までの区間は、若草町から加賀美を抜け、滝沢川に至る。受振器設置は、路肩植え込み等を利用し、スタンドの使用は少ない。釜無川より西側で道路工事が行われ、定常的なノイズが発生した。加賀美集落では人家が密集しており、発震点の抜けが多くなる。周辺のノイズ源としては、ほとんど民家の生活ノイズ程度である。
・ RP321からRP250までの区間は、旭町、屋敷村の人家密集地帯である。受振器設置は、スタンドの利用が主である。人家密集地帯であるため、発振点を確保することが困難であった。周辺のノイズ源としては、生活環境や自動車ノイズが想定された。
・ RP249からRP140までの区間は、盆地の平野部が終了し、下市之瀬から緩やかに上り坂が続き、上市之瀬の集落入口から急激な登り坂になる。上市之瀬の集落の手前までは、受振器は、地面に設置することができたが、集落内はバンチングとなった。発震点は、オフセットを取る事により、集落周辺の発震もカバーした。
・ RP140からRP1までの区間は、山道に入り、路肩がコンクリート等で固められているため、受振器を設置する場所がなく、多くの場所でスタンドを利用した。