(3)國友孝洋、志知龍一文献抜粋(1995、地震48、439−450)

・盆地南東部および西部において、重力の急変帯が断層を境として山側に片寄っているという特徴が明確に認められる。盆地南東部では、曽根丘陵付近が5mgal/km以上の強い急変帯となっており、この急変帯の東半分は曽根丘陵の存在域とほぼ一致している。また、曽根丘陵西部では急変帯が丘陵−山地境界あるいは盆地−山地境界にほぼ一致する500mの地形等高線を横切っている。盆地西部の急変帯に関しては、市之瀬台地−山地境界の背後にあり、それよりも弱い急変帯が市之瀬台地地下に存在している。市之瀬台地付近では、このように重力の急変帯は二重構造になっている。

・盆地北部や北東部にも急変帯が見られるが、このうち、盆地北部に見られるが、このうち盆地北部にみられる南北に延びた急変帯は、ほぼ花崗岩類と第四紀の火山噴出物との境界にあたり、求められた重力の急変帯が密度境界と良い対応をしていることが理解できる。

・曽根丘陵:ブ−ゲ−異常のコンタ−が特に密になっている部分は曽根丘陵内に存在しており、北縁断層を逆断層とするならば、密度境界は丘陵−山地境界よりも丘陵北縁においた方がよいと考えられる。モデルでは高密度の岩体が低角の逆断層によって盆地の堆積物の上に衝上しているという構造になっている。

図2−3−5 國友・志知による重力測定位置と地下密度構造解析測線

図2−3−6 曽根丘陵を横断する地下密度構造解析結果

図2−3−7 市之瀬台地を横断する地下密度構造解析結果