5 今後の課題

本調査により、弓ヶ浜半島先端部に生じた異常震度域では、周辺と比較して幾つか特異な地下構造をもつことが明らかになった。平成12年10月6日に発生した鳥取県西部地震での異常震度は、同地域での特異的な地下構造が複合的に作用して生じた可能性が指摘できる。但し、この可能性を実証するには、これらの地下構造/速度構造に基づいた地震動シミュレーションを実施して、定量的に評価する必要があり、今後の課題となると考えられる。

また、余震域では、深部反射波と余震分布とが相関性をもつ結果が得られた。今後、深部反射波の成因(物性変化)の解明が必要である。それには、例えば、自然地震を用いた反射波解析やトモグラフィの手法による速度構造解析などが考えられる。