CDPギャザーを構成するトレースは、反射波の経路は異なっていても、水平構造であれば地下の反射点位置は同一であり、その走時は次のような双曲線で近似できる。
この原理に基づき、経路の異なった反射波をその共通反射点位置での垂直走時に変換(NMO)して加算することにより、調査測線に沿った反射記録断面図を作成することができる(図2−1−4)。このような手法を共通反射点重合法と呼ぶ。この手法は、次のような利点を持つ。
・ 反射波の走時とそのオフセット距離から(2.1.1)式に基づき、速度解析によりRMS速度を計算し、垂直走時変換補正量(NMO補正量)や隣接する地層間の区間速度を求めることができる。
・ 異なった経路の反射波を重合することで、多重反射等の不要なイベントを消去して、S/Nを向上させることができる。