1−7−3 MT法探査

鳥取県西部地震の余震域および異常震度域において、地下の比抵抗構造を明らかにすることを目的として、地震探査測線およびその延長部に沿って13点の測点を配置して、MT法探査を実施した。取得データを解析して、地表より深度約30kmまでの比抵抗構造を得た。以下、その結果を記載する。

・ 調査地域全体に、1000Ω・m以上の高比抵抗が分布している。余震域北部では、深度2km〜8kmの範囲に厚く分布し、南に行くにつれその下限深度は浅くなる傾向にある。深度12km〜20kmにも高比抵抗が分布し、測線中央部の深度10km前後は、高比抵抗域に挟まれた構造となっている。

・ 余震域南部では、深度2km〜12km前後に厚く高比抵抗は分布している。なお、本地域には花崗岩が広く分布しており、高比抵抗の傾向を示すことは調和的である。

・ 100Ω・m以下の低比抵抗は、測線北側と測線中央部にその分布域が見られる。特に、弓ヶ浜半島部の低比抵抗は10Ω・m以下の値を示しているが、これは弓ヶ浜半島の堆積構造に対応した低比抵抗分布であると考えられる。

・ 本震の周辺部では、深度3km〜8km区間に低比抵抗が見られ、震源近傍は概ね400Ω・m前後の比抵抗域になっている。