(1)屈折初動解析

バイブロサイス震源の屈折法・広角反射法データ及び発破観測データの屈折初動の解析を行い、調査測線に沿った速度構造図を作成した。弓ヶ浜半島部と余震域に分け、それぞれ表層部を含め、4層構造を仮定して、レイトレーシング法により速度構造モデルを作成した。

<弓ヶ浜半島部(異常震度域)>

・ 反射法から得た堆積構造/速度構造と調和的であり、半島の付け根から、北方向にほぼ単傾斜の速度構造を示す。

・ 境港市北部の反射イベントが不明瞭な弾性波散乱層での屈折法走時解析では、同区間において特段の速度異常は見られない。

<余震域>

・ 屈折波の走時解析により、余震域での深度2kmまでの速度構造を得た。

・ 表層基底部では、4000m/s〜4500m/sを示し、南方向に速度が速くなる傾向がある。

・ 表層基底部から約1.5kmの深度で、5200m/s〜5300m/sの速度となる。1.5km以深では速度勾配はやや緩くなる傾向がある。