・異常震度域(弓ヶ浜半島部): 6点(バイブロサイス震源)
・余震分布域 : 13点 (バイブロサイス震源10点 + 発破 3点)
これらの測点数は、当該地域の地下構造および速度構造を解析する上で十分なデータ量である。
[異常震度域]
・基盤までの反射波と基盤面相当からの屈折波を得た。この屈折波の走時は、発震点に対して測線に沿って非対称であり、相当な傾斜をもつと推定される。
・屈折初動は、発震点近傍で約2000m/secを示す。
・基盤面と推定される屈折初動は、4000m/secから4800m/secの速度を示す。この速度(見かけ速度)の相違は、屈折面の傾斜などの影響によるものと推定される。
[余震分布域]
・反射法と同様に、地震波の伝播状況が非常に良く、発震点から直線距離で25km以上も離れた受振点においても屈折初動を確認することができた。
・初動速度は、発震点近傍で約4000m/secを示す。発震点から離れるにつれて、徐々に早くなり、5km離れた地点で約5000m/secを示す。これは、基盤岩が浅部から深部に徐々に速度が増加してからと考えられる。
・バイブロサイス震源では、4秒〜6秒の区間で、測線に沿って断続的に明瞭な広角反射波を確認した。
発破については、記録の品質が極めてよく、どの発破についても、ほぼ全受振点(測線長約45km)で屈折初動を確認することができた。
・反射波についても、往復走時で約4秒、6秒、10秒および16秒付近に、極めて明瞭な反射波(ほぼ垂直方向の反射波並びに広角反射波)を得た。 地表からの速度を平均6km/secと仮定すれば、これらの反射波の深度は、それぞれ12km、18kmおよび30kmと推定される。