2−3−1 反射法地震探査

大型起振車4台(標準)による反射法地震探査を実施して、次の測点数の反射法データを得た。

異常震度域(弓ヶ浜半島部) 183点

余震分布域 144点

これらの測点数は、当該地域の地下構造を解析する上で十分なデータ量である。

[異常震度域]

この地域の堆積層および基盤面と推定される反射波を現場モニター記録で確認した。特に、境港市では、地表からの往復走時で1.5秒付近に基盤面と推定される反射波を確認した。深度にして、1500m前後と推定される。

弓ヶ浜半島の付け根付近(米子市安部地区)で得た記録では、発震点近傍の初動が基盤相当の速度を示すことから、表層直下が基盤面に相当すると推定された。

弓ヶ浜半島では、発震点からの初動走時が受振方向に対して、非対称となることが多く、反射面の傾斜が予想される。特に、基盤面からの屈折波の非対称形が目立ち、基盤面深度の急激な変化が想定される。

[余震分布域]

余震分布域では、記録の品質は非常に良好である。これは、地表付近に基盤岩(花崗岩)が分布し、岩盤を伝わる地震波の伝播状態が非常に良いことと、測線がほとんど山間部でノイズレベルが低いのがその理由であると考えられる。

反射波としては、調査測線に沿って断続的ではあるが、往復走時で4秒〜6秒付近に、反射波を確認した。深度にして、約10km〜20kmに相当する深部反射波と推定される。