(2)測定作業

調査測線に沿って、設置した木杭を目印にして受振器、データ伝送装置および本線ケーブルを敷設した。各受振点において、9個の受振器(ジオフォン)を1〜2m間隔で設置した。データ伝送装置(RSU)は、6受振点ごとに配置すると共に、データ伝送用の本線ケーブルを測線に沿って敷設した。

受振器は、原則として道路の路肩において土が露出している所に固定したが、全面的に舗装されている場合には、アルミ製受振器スタンドを利用して設置した。交差点など受振器の展開が困難な場所では、9個の受振器を固めて設置する「バンチング」を用いた。

交通量の多い交差点では、安全面を考慮して、本線ケーブルを道路面で横断させずに、信号柱や電柱を利用した高架渡しを行った。このような高架渡しは、主として弓ヶ浜半島部において実施した。

測定作業では、大型起振車4台(標準)を震源とした。測定に先立ち、フィールドテストを実施して、スイープ周波数を8〜50Hzに決定した。発振作業は、測線北端の島根県美保関町宇井地区から開始した。起振車の前後には、警備員を配置して交通整理を行い、交通の支障とならないように対処した。住宅の多い場所や地盤状態の良くない地点などでは、振動の影響を考慮して、起振車の台数やスイープ回数を調整した。

各発振に対しては、原則として、その発震点を中点とした前後160チャンネル分の受振点において観測した。各受振点での測定データについては、データ伝送装置(RSU)内でディジタルデータへの変換とスイープ信号との相互相関処理を行い、本線ケーブルを通して観測車のデータ収録装置に伝送した。

境水道や中海を挟む受振点展開の区間では、それぞれの区間に観測装置(観測車)1台ずつ合計2台配置し、発振の同期をとりながらデータ収録を行なう「デュアル測定方式」を用いた。特に中海を挟む区間では、それぞれの区間で160チャンネル分のデータ(合計320チャンネル)を同時に取得した。