どちらも流山NK−1孔を参照して解析されていることで主要な地質層境界深度は対応がとれており,基盤S波速度を含めたS波速度の対応も良好である。モデル設定の条件が,ほぼ同じであるにもかかわらず,野田R−1孔周辺における調査では基盤S波速度に差異が見られたのに対して,本地域の調査では良好に対応がとれている。埼玉県の調査では,地震基盤相当層のS波速度が,ほぼ2.5km/s強で安定しているのに対して,千葉県による調査では,速度に差異がある。この違いは,深部構造の違いであることを考えると,測定実施時における微動長周期成分のパワーが異なっていたことも考えられる。埼玉県の調査は,ある程度調査期間が限定されている一般的な調査と異なり,微動パワーが十分に大きくなる時期を必要に応じて待って測定できているため(松岡・他2000,pp.14),十分に大きな微動パワーが測定でき,安定した解析が行われたことが推察される。
境界深度を参照すると,各微動モデル層は概ね以下のように対応すると考えられる。
表3参照