(1)野田R−1孔周辺における調査

千葉県野田市に位置する,東京都周辺における地震基盤到達孔のひとつである野田R−1孔周辺では,千葉県によるNDA観測点(C24)と埼玉県環境科学国際センター(以降埼玉県と略称する)によるNDS観測点(S40)で調査が行われている。これらを対象比較したものを図3−2−2−1、上図に示す。(C24)は5層モデル,(S40)は7層モデルであるが,(S40)は,地震基盤相当層の下部にも層を設定しており,地震基盤相当層までの層数は同じである。

どちらも野田R−1孔を参照して解析されていることで主要な地質層境界深度は対応がとれているが,基盤S波速度は異なっている。これは,モデル設定の際に千葉県の調査では地震基盤相当層を半無限層としているのに対して埼玉県での調査では,半無限層として,より下部の層を対応させていることが原因の一つと考えられる。また,浅部の速度構造に若干の違いがあり,第2層,第3層のS波速度に関して(C24)の方が0.1km/s程度速い速度となっている。

境界深度を参照すると,各微動モデル層は,概ね以下のように対応すると考えられる。

表2参照