(3)理想形アレイと実用形アレイ

本調査では「その1調査」と同様に数個の二重アレイ(半径比=1:2)の組み合わせによる微動観測を実施した。ここに,アレイ中心はすべて同一地点とした。各々の二重アレイに対する地震計設置点の数量は,計7点(=中心1点+円周上3点ずつ×2)である。

図2−2−1は,二重アレイ(半径比=1:2)の概念図である。図中の黒色丸印(●)は観測点を表す。上図は中心完全対称な理想形アレイあり,外接正三角形の各辺の中点が内接正三角形の頂点を成す。同じく下図は上図の正三角形(赤色実線)をアレイ中心の周りに適宜回転させた実用形アレイである。どちらのアレイも理論上は全く等価であるが,実用形アレイは理想形アレイよりも設計が容易であるという利点を有する。また,本調査の観測現場は首都圏の人口密集地域にあり,理想形アレイの展開は一般に困難である。このため,本調査では実用形アレイを積極的に展開した。