瀬尾ほか(1990)は,発破実験に基づく関東平野南西部の地下深部構造として,図2−1−7−2に示すように,小田原−平塚−横浜−川崎−東京に至る断面を示し,東京直下では深度約2,300m程度以深がP波速度5.3q/s,S波速度3.0q/s,深度約2,300〜1,300m程度の範囲が2.7〜2.9q/s,S波速度1.5q/s,深度約1,300m以浅が1.8〜2.0q/s,S波速度0.68q/sとしている。
纐纈(1995)は,基盤岩のP波速度を北側の三波川帯で5.72q/s,南側の秩父帯・四万十帯で5.36q/sと計算している。
鈴木(1996)及び鈴木(2002)は,図2−1−7−3に示すように,岩槻観測井・下総観測井・府中観測井及び江東観測井のP波速度を各地層区分毎に対比し,上総層群では1.8〜2.5q/s,三浦層群では2.5〜3.3q/s,先新第三紀層では4.5〜5.5q/sとしている。
なお,東京都(2003a,b)による各層の速度については,「2.1.4 平成14年度関東平野(東京都)地下構造調査結果」で述べる。