�@　微動アレイ探査により東京都区内３地点（江東区東陽地点・中野区松ヶ丘地点・太田区馬込地点）における地震基盤までのＳ波速度構造が求められた。また，「その１調査」で実施した３地点（板橋区舟渡地点，渋谷区代々木地点，千代田区北の丸地点）も再検討した。

�A　地震基盤の深度は，舟渡地点（板橋区），代々木（渋谷区）地点，北の丸地点（千代田区）及び東陽地点（江東区）は，２５００ｍ程度を示し，馬込地点（大田区）はやや深い２８００ｍ程度，松ヶ丘地点（中野区）さらに深く３２００ｍ程度となっている。一方，上総層基底深度については，全地点ともほぼ１５００ｍ程度と求められた。

�B　各層におけるＳ波速度は，上総層群，中−下部で０．９〜１．０ｋｍ／ｓ，三浦層群で１．５〜１．６ｋｍ／ｓ，地震基盤と考えられる先新第三系基盤で３．１〜３．２ｋｍ／ｓ程度と求められた。

�C　東京都周辺地域において実施された微動アレイ探査結果を収集・整理した結果，東京都周辺では，ほぼ５ｋｍ〜１０ｋｍ間隔で微動アレイ探査が実施されていることが分かった。それらの対応関係を検討した結果，実施機関が異なると，近傍の観測点における調査結果でも対応が困難な観測点も存在し，統一的に扱うためには，各調査結果に対して若干の調整，または再解析が必要であると考えられる。