調査測線と交差する道路が多数あり、特に交通量の多い幹線道路での本線ケーブルの道路横断には、信号柱を用い高架渡しを行った。この他の交差点では、ケーブルをゴム製のカバーで覆って道路面を横断した。
調査受振測線は、西から玉川上水緑道、車道路側帯、野火止用水緑道、車道路側帯、黒目川側道(自転車歩行車道)、公道の歩道(植栽)を使った。測線は、都道108号を100m程度通し、都道17号(府中街道)、都道5号(新青梅街道),都道4号(所沢街道)を横切った。MS2000測線は、白子川沿いの公道(一部は緑道)を使用した。今回の測線の7割が、緑道・自転車歩行車道を使用するが、通行者(散歩、通学、ランニング)が多いので地元周知は必要であった。特に、東久留米市の黒目川側道(自転車歩行車道)の5km区間は閑静な住宅地であった。
発振について、大特進入禁止・時間通行規制・スクールゾーンが多い住宅地をバイブロサイス車が通行するために、道路使用許可申請等に多くの準備時間を要した。その他、民間の地元交渉について、西武鉄道(線路沿い発振、深夜作業の近くに玉川上水車両管理所)には、全面的にご協力を頂いた。発震作業に当たっては、発震点毎の騒音・振動の様子を確認しながら、適宜
・スイープ数
・出力レベル
・バイブレータ車の台数および種類
の調整等を行った。
原則として1〜2台稼働、20回スタック/点を基準としたが、各発震点の状況に応じ臨機応変に対処した。バイブレータ発震出力についても状況に応じ、最大出力の30〜90%に変えて行った。また、現地状況の許す限りスタック回数およびバイブレータ発震出力を上げ記録質向上に努めた。樹林公園周辺の発震はノイズレベルの低い時間帯である夜間作業とし、記録の向上をはかった。
現地調査の作業状況については、付録1に現場写真を示した。図2−2−6−1、図2−2−6−2、図2−2−6−3、図2−2−6−4、図2−2−6−5に反射法の現場記録例を示した。各図は、1発震点に対して、地表の受振点で観測した記録であり、横軸は受振点の番号、縦軸は時間となっている。参考のために各図の上部に測線図も同時に添付した。