屈折法地震探査も合わせて実施し、バイブロサイス車４台を震源とする多重発震を３ヶ所で行い、全測線の受振器でデータを取得した。

地震探査測線の位置は、図１−１に示した。

これらの解析結果と文献調査の結果を合わせて総合解析を行った結果、以下のことが明らかとなった。

＜Ｐ波反射法地震探査＞

反射法地震探査により、地表から深度約３０００ｍの先新第三系基盤までの地下構造（形状とＰ波速度）が明らかとなった。

先新第三系基盤上面の深度は、調査測線の東端付近で約１９００ｍ、西端付近で約３０００ｍであり、東から西に向かって徐々に深くなっている。これに対して、三浦層群相当層上面や上総層群上面と想定される深度は、測線全体にわたりほぼ平坦である。この結果は、周辺の既存調査結果と整合的である。

Ｐ波速度は、下位から三浦層群相当層２．７〜３．１ｋｍ／ｓ、上総層群１．９〜２．８ｋｍ／ｓ、下総層群１．７〜１．８ｋｍ／ｓと求められた。

＜屈折法地震探査＞

３点の発震点で、先新第三系基盤上面に対応する屈折初動が確認できた。また、堆積層中の三浦層群相当層上面、上総層群上面に対応すると思われる屈折波（屈折初動ならびに後続波）も確認できた。

反射法地震探査の解釈結果を参照して４層モデルを仮定したレイトレーシングによる走時合わせを行い、観測走時を説明する最適と思われる地下速度構造モデルを得た。

先新第三系基盤のＰ波速度は５．５ｋｍ／ｓ、三浦層群相当層の速度は、２．９〜３．１ｋｍ／ｓ、上総層群の速度は２．０〜２．３ｋｍ／ｓ、下総層群の速度は１．７ｋｍ／ｓと求められた。