4−7−3 使用した地震及び地震観測点

本解析では,調査地域全域及びその周辺域の地震計で最近観測されたマグニチュードの大きい地震のうち,調査地域のほぼ真東の方向に震央を有する下記の地震の観測波形を使用した(震源情報は独立行政法人防災科学技術研究所提供のデータ,震央の緯経度は世界測地系)。

釧路沖地震

発生日時   :2004年11月29日3時32分

震央位置   :北緯42.9度,東経145.3度

震源深さ   :48km

マグニチュード:M7.1

上記地震の震央位置を図4−7−3に示す。図4−7−3には,調査地域に存する地震観測点の一部(HKD180地点及びHSS地点)の位置を併記してある。

平成15年度調査と同じく,平成16年度調査の1次元地震動解析でも,HSS地点(札幌)での速度波形を地震基盤からの鉛直上方入力波として利用した。解析対象とした地震観測点と,参照した微動観測点の対応関係を表4−7−1に示す。

図4−7−4図4−7−5図4−7−6図4−7−7図4−7−8には,1次元地震動解析で使用した地震波形(Transverse成分。加速度波形及び速度波形)を示す。札幌市震度計ネット(No.1〜No.11)及びK−NET(HKD180)の各観測点では,いずれも100Hzサンプリングの加速度データが得られている。また,F−netのHSS地点では,20Hzサンプリングの強震速度データが得られている。このため,HSS地点以外の地震観測点については加速度データを20Hzでリサンプリングし,さらに速度データに変換して,計算処理を行った。

図4−7−3  釧路沖地震の震央位置図

表4−7−1  データ処理に用いた地震観測点一覧

図4−7−4  釧路沖地震(2004年11月29日3時32分)波形記録

札幌市震度計ネット No.1(もみじ台出張所),No.2(南消防署)及びNo.3(北郷出張所)

図4−7−5  釧路沖地震(2004年11月29日3時32分)波形記録

札幌市震度計ネット No.4(新琴似出張所),No.5(前田出張所)及びNo.6(東消防署)

図4−7−7  釧路沖地震(2004年11月29日3時32分)波形記録

札幌市震度計ネット No.10(琴似出張所)及びNo.11(篠路出張所)

防災科学技術研究所強震観測網(K−NET) HKD180(札幌)

図4−7−8  釧路沖地震(2004年11月29日3時32分)波形記録

防災科学技術研究所広帯域地震観測網(F−net) HSS(札幌)

(本図の加速度波形は速度波形を微分して求めた参考データであり,

本調査の解析作業では使用していない)