1観測点当たり,10回の試行(実験回数)で10通りのモデルを算出した。10通りのモデルには,観測位相速度とのフィッティングが極端に悪いものはなかった。
これらの中から,
@ブーゲー重力異常の分布と定性的に整合がよい
A隣接する観測点で構造が急激に変化しない
ものを最終モデルとして選択した。
どの観測点においても,最終モデルは,観測位相速度をほぼ説明できるものであった。ただし,各速度層のS波速度の探索範囲が広く,上下の速度層とある程度重なり合っていることもあったため,観測点間で同じ層番号(第i層,i=1〜6)におけるS波速度にばらつきがみられ,各観測点を関連させて層構造の空間的な分布を求めることが困難であった。この点は平成14年度の検討課題となった。