このような初期モデルに対して,各層の速度・形状・深度を試行錯誤的に修正することを繰り返しながらレイトレーシングを行い,観測走時を概ね説明できる最終モデルを得た。図3−4−3−1,図3−4−3−2には,各発震点毎に理論走時と観測走時及び波線経路を示す。
最終的に得られたモデルは,反射法地震探査から得られた構造に近いものであり,反射法地震探査結果がほぼ妥当であることが確認できた。各地層のP波速度は,第四系が1700〜2200m/s程度,当別層(西野層)が2000〜3000m/s程度,望来層・盤の沢層・厚田層などが2800〜4600m/s程度である。基盤のP波速度は,平成14年度,平成15年度と同じく5500m/sとした。
2章で述べた平成15年度反射解釈断面図の変更に伴い,平成15年度のレイトレーシング解析を再度行い,観測走時を概ね説明できる最終モデルを得た。その結果を図3−4−4−1,図3−4−4−2に示す。