5−3 データ再処理

データ収録装置はアナログ型探鉱機であり,現地調査作業において重合処理まで施されている。現存する重合後の記録断面図を原データとして再処理を行った。データ再処理の主な項目について,その内容を以下に記す。

ア 振幅調整

重合後の記録断面図(再処理における原データ)にゲート長800msecのAGCを適用し,振幅を調整した。

イ デコンボリューション

記録断面図に卓越する層間多重反射を除去するため,デコンボリューション処理を実施した。

・ゲート長 :2400msec

・オペレータ長 :240msec

・予測距離 :48msec

・ホワイトノイズ :0.5 %

ウ ノイズ抑制フィルター

重合記録断面上に卓越するランダムノイズの抑制と擬似イベントの除去を目的として,F−X予測フィルターを適用し,連続性のある反射イベントを強調した。フィルター適用後の重合記録断面図を図5−3−1に示す。

エ 時間マイグレーション(Time Migration)

差分法に基づいたマイグレーション処理を行った。速度については,本年度の反射法データのDMO速度解析結果(CDP−1000地点での速度値)を用いた。

オ 帯域通過フィルター

マイグレーション後の記録に対し,反射イベントを強調するために,帯域通過フィルターを適用した

・0 〜 1.0 sec 10/12 〜 60/80 Hz

・1.0 〜 6.0 sec 8/10 〜 40/60 Hz

マイグレーション時間断面図を図5−3−2に示す。

カ 深度変換(Depth Conversion)

マイグレーション後の記録に対し,時間軸から深度軸へ変換を行い,深度断面図を作成した。変換のための速度関数は,マイグレーションに適用した速度を用いた。図5−3−3に深度断面図(カラー表示)示す。