3−7 まとめ

・反射法地震探査によって,基盤及びそれを厚く覆う堆積層の構造(速度構造、地質構造)を把握することができた。

・地層境界に対比されると考えられる反射面を,反射面の連続性,反射強度,反射パターン,速度解析から得られたP波速度,測線近傍の既存ボーリングデータなどに基づいて抽出し,反射断面を,地表から深部に向かって,第四系,当別層(西野層),望来層,盤の沢層・厚田層・奔須部都層(または小樽内川層)及び地震基盤(定山渓層群)に区分した。

・基盤面は東に向かって徐々に傾斜を増し,測線東端では深度5600m程度と推定される。

・各地層の測線東端での沈み込みは,平成14年度反射法地震探査で捉えた月寒背斜構造の東(北)翼における地層の沈み込みに対応する。

・同一地層内のP波速度は,深いところほど大きな値を示す傾向がある。

・CDP790〜850付近に東側上がりの逆断層が検出された。既存資料を参照すると,既存ボーリング茨戸SK−1付近に示されている逆断層の南方延長部の可能性がある。この断層は反射断面で見る限り,第四系の基底にまでは及んでいない。

・平成15年度反射法地震探査結果に基づいて,平成14年度反射断面の再解釈を行った。