7−5−3 P波反射法地震探査

・札幌市内を流れる豊平川の河川敷に設定した17kmの測線上で,起震車(大型バイブロサイス車)によるP波反射法地震探査を実施した。測線南端は五輪大橋付近,北端は雁来大橋の北約3km,モエレ沼公園の東約1kmの地点にあたる。

・基盤及びそれを覆う堆積層の分布形状と深度を把握することができた。

・反射速度解析結果から各堆積層のP波速度を得た。ほぼ同じような深度では,地質の違いによらずほぼ同じような速度が分布するが,同じ地層では,深いところほど大きな速度が分布する結果が得られた。

・反射断面上に,月寒背斜構造が環状北大橋付近を中心として明瞭に現れた。

・基盤を厚く覆う堆積層は,北(東)に向かうにつれて徐々に厚くなるが,幌平橋付近から背斜構造の西翼あたりまではほぼ一定の2500mの層厚である。月寒背斜の東翼側では,北(東)に向かうにつれて層厚を増し,最深部は4000m以上になると推定された。

・断層に結びつくような反射面の食い違いなどの構造は,検出されなかった。