6−4−3 2次元モデル計算

地震探査から得られた地下構造に対して,重力2次元モデル計算を行い,得られた重力値と観測重力値(標準重力基準式1980年)との比較を行った。モデル計算は,2次元Talwaniの方法を用いて,以下の三つのケースについて行った。

ケース1 : 反射解釈断面図の地質構造に準拠した4層モデル

ケース2 : 反射法の速度構造に準拠した4層モデル

ケース3 : ケース2の測線南端部の浅部に高密度の岩体を加えたモデル

各層の密度は,基礎試錐「石狩湾」の密度検層結果を参考にして以下のように与えた。

第1層 : 2.0g/cm3

第2層 : 2.1g/cm3

第3層 : 2.3g/cm3

第4層(基盤) : 2.6g/cm3

浅部高密度の岩体(ケース3) : 2.6g/cm3

2次元モデル計算から得られた重力値と観測重力値との比較を,図6−4−3−1図6−4−3−2図6−4−3−3に示す。

(ア) ケース1;図6−4−3−1

モデル計算から得られた重力値は,背斜構造(頂部が距離10000m付近)を中心とする範囲でやや盛り上がるような形状となり,観測重力値の形状とは合っていない。また,測線南端部の観測重力値が盛り上がった形状とも合っていない。

(イ) ケース2;図6−4−3−2

モデル計算から得られた重力値の形状は,測線北側(東側)では,ケース1よりも観測重力値と合っている。測線南側(西側)では,観測重力値の盛り上がった形状とは合っていない。

(ウ) ケース3;図6−4−3−3

このモデルは,測線南端部における観測重力値の比較的短波長のブーゲー異常変化を検討するため,ケース2のモデルの浅部に,藻岩山の岩体をモデルとした高密度のanomalyを加えたものである。モデル計算から得られた重力値の形状は,観測重力値とかなり合うようになった。