5−4−2 走時曲線

屈折法探査の記録から読み取ったP波の初動を,図5−4−2の走時曲線として示す。上段は測線案内図,中段は発破による発震点SP−1,SP−2の走時曲線及び起震車による発震点VP−20,VP−335及びVP−715の走時曲線,下段は各発震点の走時曲線を発震点SP−1にまとめて示したものである。これらの走時曲線の横軸は各受振点の距離,縦軸は時間(走時)である。測線が屈曲しているため,各受振点の距離は測線に沿った距離ではなく,発震点SP−1からの直線距離になっている。これから比較的浅部のP波速度は2000〜3000m/s程度,その下に4000m/s程度,基盤が5000〜6000m/s程度と読み取れる。また,発震点SP−1及びSP−2の近くにおける2000〜3000m/s程度を示す走時曲線の形状からは,SP−1にくらべてSP−2の方が,遅い速度層が厚く分布することが推定される。