(3)当別層(西野層)

測線北端からCDP700〜800付近までの範囲では,砂泥互層からなる堆積層に特徴的な縞状の反射パターンが認められる。既存ボーリング結果(上山試錐倉庫井)を参照して,解釈断面図に示すように北側(東側)に約25度で傾斜する明瞭な反射面を当別層の基底と解釈した。当別層は,背斜の頂部付近から北(東)に向かって徐々に厚さを増し,測線北端部での層厚は1800〜1900m程度,深度は3000m程度となる。

当別層を南側(西側)に追跡すると,反射パターンが縞状からでこぼこした小さな起伏を繰り返すようなパターンに移り変わっていく。岡ほか(1991)によると,当別層は札幌市街北〜北東方(茨戸油田・丘珠など)の石油探査ボーリング結果では,泥岩〜細粒砂岩から構成されるのに対し,札幌西南山地から札幌市街下にかけて厚さ約300mで分布する西野層は,火砕岩・火山性砕屑岩を代表岩相とし,この西野層は札幌市街北部で急激に尖減し,当別層に移化すると判断され,両層は同時異相関係にあると考えられる。

このことから,CDP700〜800付近を境にして反射パターンが変化するのは,泥岩〜砂岩を主体とする当別層が,火山岩を主体とする西野層に移り変わっていくことを反映した結果と考えられる。西野層の厚さは,300〜500m程度である。