前節で検討したように,微動アレー探査結果によるS波速度構造モデルにおいて,最下層は地震基盤とされる定山渓層群であると判断された。このS波構造モデルに,定山渓層群および隈根尻層群に到達している既存石油関連ボーリングデータ,既存反射法地震探査結果から求められているグリーンタフ(定山渓層群)上限地下構造図(等時間線図)から深度を想定して作成したデータとを追加し,地震基盤の等深線図を作成した。等深線図作成に当たっては,曲率最小化原理に基づいた内挿を行った。地震基盤等深線図を図6−7に示す。また,等深度データから,地震基盤上面の3次元地下構造モデル(第1次)の鳥瞰図を作成し,図6−8に示す。
地震基盤上面の形状は,調査地域北東部にあたる大平〜元町〜中沼で,深度3,000m強を示している。その南東部では深度が深くなり,最深部が東米里で深度4,000m強となる。調査地域西側では南西方向に向かって浅くなり,深度2,000m以浅となっている。次年度以降,反射法地震探査が実施され,重力データに対する傾向面解析などの検討が行われれば,より精度の高い3次元地下構造モデルを構築していけると期待される。