5−3 データの諸元

データの大部分は昭和40年代に取得されたもので,測定器としては,ウォルドン重力計が用いられている。これは,現在主に用いられているラコステ重力計と比べた場合,若干ドリフトが大きく,測定レンジも狭い。感度は0.01mgalの精度を持っており,十分な測定精度と考えられる。ドリフトの問題も測定の際に,これを良く承知をして1日の測定の中で何回か閉測を行うことで,ドリフト誤差を最小にしている。観測点密度に関しても約400m間隔でデータが取得されており,基盤深度が深いことが予想される本調査地域においては空間分解能の点でも十分と考えられる。

各種補正解析に関しては,昭和60年度に,それまでに北海道で行われた全重力調査に対して調査ごとの基準点間の比較測定/データ編集(コンパイル)作業が行われている。そのときの補正を,さらに修正する必要が生じるような知見は,その後,今まで出されていないので,現段階では十分な補正が施されていると考えられる。公表されている重力資料も,この結果が元となって作成されていると考えられる。