本観測井では,深度424m以深には西野層が分布し,深度424〜202mには裏の沢層が,深度202m以浅には中・後期更新世堆積物と完新世堆積物が分布していることが確認された。工事報告書で記載されている地層境界の深度の変更は無いが,一括されていた第四系更新統を,今回の調査では,深度202mを境にして上位の砂礫層を中・後期更新世堆積物,下位の泥質層を前期更新世の裏の沢層に区分した。本ボーリングの新第三紀鮮新世の西野層は,凝灰質シルト岩,凝灰質粗粒砂岩,凝灰角礫岩を主とし,自破砕状の安山岩溶岩を挟む。今回観察したコアは,掘削時から約5年を経過しているため,風化作用の影響があるものの,図4−6のコア写真例の上段に示すように,凝灰質シルト岩は固結度が高く,棒状のコア形状をなしていた。一方,凝灰質砂岩や凝灰質角礫岩は固結度が弱く,砂状を呈している箇所が多かった。