3−5−3 空間自己相関係数

図3−10−1図3−10−2に例としてNo.8観測点における相関距離別の空間自己相関係数を示す。係数値を実線,その分散を点線で示してある。ここでは全体的に分散の小さい結果を得ることが出来た。これは,全体的にノイズレベルの小さなデータを取得することができたことを意味していると考えられる。なお,解析に使用できる周波数範囲は低周波数側に見られる最初の極大値付近の周波数から,それより高周波数側にある最初の極小値付近の周波数までである(岡田,2001)。解析できる周波数に限界があるのは,低周波数側に関しては,周波数が0に近づくにつれて多くの場合,理論から期待される値,1に漸近せず減少する傾向があるためである。これは図3−10−1図3−10−2にも現れている。原因としては,@微動信号の大きさ(パワーと呼ぶ)の低下,Aブロック長が低周波数成分を解析するには短すぎる,BSPAC法に特有のVARIANCEの急激な増加(松岡・ほか,1996)などが考えられる。また,高周波数側に関しては,アレーサイズによるエイリアジングのためである。