3−1 目的

周知のように,堆積平野における深部1,000m以深までのS波速度構造の把握は防災対策上非常に重要である。本調査では,札幌市の位置する石狩平野北部の地下構造をS波速度による地下構造として把握することを目的として微動アレー探査を実施した。S波速度構造を得る手段としては,この他にS波反射法,ボーリング孔を利用するPS検層などあるが,今回のように広範囲の調査領域に適用するには,調査期間,調査経費を考えると現実的ではない。微動アレー探査では,得られる結果が水平多層構造による近似という前提はあるが,より短期間に比較的少ない経費で目的に応えることができる技術的内容を備えている。