2−4−2 微動アレー探査
笹谷ほか(1998),岡田ほか(2000)は,図2−24に示す石狩市,札幌市手稲地区などにおいて微動アレー探査を実施している。図2−25(上)は札幌市北部5サイトで微動アレー探査により推定されたS波速度構造,同図(下)はボーリングおよび反射法探査から推定された既往地下構造(石油公団,1995)に微動アレー探査結果を重ねて表示したものである。この調査によって,札幌市域に厚く分布する完新世から中新世の堆積層についてS波速度が得られ,深さ約3,000mでS波速度約3,000m/sを示すことが報告されている。また,アレー規模や探査時期などまだ試行すべきことが残っているが,S波速度の深部地下構造探査に微動アレー探査法が有効であることが確かめられたとしている。