2−1 目 的

石狩平野北部地域は,場所によっては新第三系あるいは第四系が深度3,000m程度まで厚く存在していることが確認されている。一方,札幌市の南西部は,新第三系下部の堆積岩,火山岩およびその下位に先第三系が分布する山地となっており,北側には樺戸山地(増毛山地)が存在し,東側には先第三系の上昇帯が確認されており,石狩平野北部の地下は,南西部,北部,東部を囲まれた構造となっている可能性がある。

深部に及ぶボーリング,反射法地震探査は札幌市域外で行われており,石油・天然ガス関連のデータについては,概略地質について公開されているものもあるが,詳細は不明である。また,札幌市域においては,深度1,500m程度のボーリングは比較的多く存在し,1,500m以浅の地質については比較的解明されているが,それ以深のデータについてはほとんど存在しない。

以上のことから,文献調査では,札幌市の地下地質,物理探査および地震などに関する情報を整理し,既往調査により確認されている点,今後解明する必要のある点などを明らかにすることおよび石油・温泉開発を目的とした大深度ボーリングデータなどの収集・整理を目的として実施した。収集整理した文献などの一覧を表2−1−1表2−1−2表2−1−3に示す。