�@ 枚方測線により、枚方地域の基盤岩構造を把握するとともに、生駒断層の北部への延長（枚方撓曲）が確認できその落差は約４５０ｍと推定された。

�A また、男山丘陵部における基盤の高まりを確認するとともに、丘陵東縁に落差約２００ｍの断層が確認された。

�B 高槻測線により枚方撓曲に対応する２本の断層が推定され、基盤岩落差の総量は約５００ｍである。この落差は枚方測線で確認された落差とほぼ同じであり、高槻市域まで断層が延長することが確認された。

�C 茨木測線により、有馬・高槻断層帯の基盤岩構造を把握するとともに、断層帯南側に陥没構造が存在することを確認した。

�D 大和川南部地域をほぼ東西に横断する大和川南測線における探査結果より、上町断層や生駒断層の南方延長部における断層構造が把握され、地表地質情報より推定されていたそれぞれの地質構造を確認することができた。

�E 大和川南測線における基盤岩の最深部は測線西端部の上町断層下盤側で約１４００ｍであることが確認され、基盤岩上面における上町断層の鉛直落差は約４００ｍと推定された。

�F 大和川南測線の東部においては、反射記録があまり明瞭でないが、生駒断層の南方延長部の地質構造に関しては、誉田断層の鉛直落差が６００ｍ以上あることが推定され、この地域においては、生駒断層帯の鉛直落差は、生駒断層の南方延長部よりもその西側において大きいことが示唆された。

�G 重力探査結果より推定されていた大和川南部における単独丘状の重力異常域は、主として上町断層によって形成された基盤岩の隆起構造であることが明らかとなり、その基盤岩の最浅部における深度は約１１００ｍと推定された。

�H 大阪湾岸第２測線における探査結果より、重力探査より推定されていた基盤岩の小丘状の構造が確認され、上位の堆積層にも継続的な変形の見られることが明らかとなった。

�I 阪神高速道路湾岸線の建設時に実施されたボーリングデータとの検討結果より、これまでに推定されていた表層部における各褶曲と深部地質構造との関係が明確となった。

�J 大阪湾岸第２測線北部においては、北上がりの落差構造が推定され、地盤の表層部においても地層が連続していない可能性のあることが指摘された。

�K 八尾測線の探査結果から、重力探査により大阪平野内で最も深いと推定された同地域における基盤岩深度が確認された。また、八尾測線東部では２０００ｍを越えることから、生駒断層の落差は２０００ｍにおよぶ結果となった。

�L 八尾測線西部では、基盤岩に約２００ｍが見られるとともに、上部の堆積層に撓みが見られる部分があり、未知の断層が存在する結果となった。

�M 大阪湾岸第１測線により桜川撓曲と住之江撓曲の湾岸部への連続性が確認された。

�N 大阪湾岸第１測線と交差する堺築港東西測線は東から西へ向かって緩やかに傾斜することが確認された。これは重力探査による結果と整合する。

�O 反射法地震探査で得られた各測線の時間断面及び深度断面における反射記録の特徴をもとにして反射波の対比を行い、深層ボーリングなどの既存資料をもとに各測線の地質層序を推定し、大阪層群の海成粘土層（Ｍａ３〜Ｍａ９）の分布が推定された。

�P 平成１４年度から３年間の探査結果とあわせて既存の重力探査結果によって推定されていた基盤岩構造を再検討し、あらたに大阪平野全域を対象とした基盤岩深度分布が推定された。

�Q これまでに得られた地質情報を総括し、既存の大阪平野における３次元地盤モデルの改良を行うとともに、３次元シミュレーションの実施によってモデルの検証を行い、その問題点を抽出し、今後のモデル改良に対する基礎資料とした。

上記の成果を踏まえて３次元地盤モデルの改良を行い、地震時における強震動予測の精度の向上を図ることができた。これらの結果は大阪平野における地震防災対策の策定に対して有益な情報を提供できたと考えられる。