6−3 重力探査の見直し

独立行政法人産業技術総合研究所によって、重力探査等のデータにもとづいて作成された大阪平野の基盤岩標高分布について、新たに得られた地質情報をもとにその見直しを実施した。

新たに得られた地質情報としては、平成14年度に大阪府によって実施された反射法地震探査測線の枚方測線、高槻測線、茨木測線における基盤岩深度情報と、本調査における大和川南測線と大阪湾岸第2測線のデータである。

従来のデータを用いて作成されていた基盤岩標高分布図は図3−8に示したとおりであるが、平成14年度より実施された反射法探査で得られたな測線直下における基盤岩深度データを加えて修正した分布図を、従来の分布図とあわせて図6−7に示す。また、大阪府によって平成14年度及び平成15年度に実施された反射法探査測線上において、修正した基盤岩上面線の深度分布を図6−8に示す。

これらの図に示されるように、大阪平野北部においては、生駒断層の北部延長にあたる枚方撓曲による基盤岩落差が明瞭に表現された結果となっている。また、この基盤岩落差は、高槻付近より北東方向に偏向して延長する可能性があると考えられる。しかし、高槻測線においては、断層による基盤岩深度の急変が明瞭でなく、探査結果に比べて緩やかな基盤岩上面線となっており、周辺地域の重力データが影響している可能性があると考えられる。さらに、平成14年度の反射法探査、茨木測線において、有馬高槻断層帯の南側に確認された陥没構造も、これまでに比較してより明確となっている。

平野南部においては、従来より指摘されていた大和川南部と堺市湾岸部の重力異常域においては、大和川南測線と大阪湾岸第2測線における反射法探査結果を反映して、最浅部の基盤岩深度が以前に比べて深くなり、その比高は以前に比べて相対的に小さくなって表現された結果となっている。

また、全体的な傾向としては、重力探査データが新たに加えられたことによって、等高線は比較的なめらかに表現されている。

図6−7 重力探査等のデータによる基盤岩標高分布図

図6−8 平成14、15年度に得られた反射法探査結果を踏まえて修正した重力