5−1−1 探査仕様

地震基盤上層付近におけるP波速度分布の把握を目的に、反射法探査測線[大和川南測線]においてP波屈折法地震探査を実施した。P波屈折法地震探査の主な探査仕様を表5−1に示す。なお、本探査は、前章で述べたP波反射法地震探査と同じ機器を使用し、同様のデータ収録仕様において測定も並行して実施した。

以下に、探査の主な仕様についてその設定理由を記す。

大阪府内における既存調査の結果から、当該調査域の基盤岩上面の最大深度を1.5km程度と推定し、探査目標深度については余裕を見て2kmに設定した。次に、最大受振距離について、屈折法探査で一般的な探査目標深度の5倍、10kmとした。さらに、一度に受振する区間長について、安全性及び施工性を考慮し、約7km(受振点間隔20mで同時収録チャンネル数350チャンネル)とした。なお、受振点間隔20mは、本探査をP波反射法地震探査と並行して行ったため、P波反射法地震探査で採用した間隔とし、施工性を高めたものである。また、一度に受振する区間を上記のように約7kmと設定したのに対し、最大受振距離は10kmである。このため、最大受振距離を確保するため、受振区間外で発振を行った。なお、発振点間隔については、一度に受振する区間内に発振点を4点設けることを基本に、また、実際に長時間の発振が可能な地点を考慮し、約2kmとした。なお、垂直重合数(スタック回数)、スイープ周波数、スイープ長は本測定の前に実施した発振テストの結果に基づき設定した。

表5−1 P波屈折法地震探査の主な仕様及び使用機器