(1)振源

P波反射法地震探査の振源として大型バイブレータを使用した。使用した大型バイブレータの発振機構を図4−10に示す。発振は、最初に車体中央のベースプレートを地面に下ろし、これに車重の大部分(約13トン)をかけ地面に圧着させた。車体とベースプレート間にはエア・ダンパーがあるため、ベースプレートには鉛直方向の上載圧が加わるが、車体への振動は遮断される。次に、ベースプレート上のアクチュエイターでリアクションマス(3トン)を上下に振動させると、その反力がベースプレートを介して地面に伝わり、地盤を振動させる。図4−11に大型バイブレータの外形を示す。

なお、大型バイブレータの進入が困難な狭い道路においては、代替震源として油圧インパクターを用いた。油圧インパクターは、ガス圧で加速されたピストンロッドがベースプレートを打撃することにより発震を行う重錘落下型震源である。油圧インパクターは、この重錘落下型装置を車載することにより移動性を高め、測定の効率を高めたものである。最大200kgの重錘を高さ約3mから落下させた場合に相当する発震能力をもつ。特徴として、

@ 浅層探査に必要な高周波成分に富んだ震源波形

A リバウンドを抑えることにより単純な震源波形

B 舗装道路上でも使用可能

C 移動が容易で測定の効率が高い

等が挙げられる。図4−12に油圧インパクターの外形を示す。

表4−5 使用機器一覧(P波反射法地震探査)

図4−10 P波バイブレータの発振機構

図4−11 大型バイブレータ(Y2400)の外形

図4−12 油圧インパクターの外形