4−1−3 探査測線位置を決定した経緯

平成15年度の探査対象は、[2.4調査地域の選定とその経緯の概要]に示したように、大阪平野における既存の地質情報の分布状況等を考慮し、基盤岩深度などの地質構造が解明されていない南大阪地域とした。また、探査測線の設定に当たっては、測線を設ける道路について、地下構造の走向(構造の伸びの方向)と可能な限り直角に近い角度で交差すること、地下鉄や高架沿いなど反射法地震探査の調査上支障となる構造でないこと、及び交通状況等を考慮した。以下に探査対象とした2測線の選定理由を示す。

大和川南測線は、人口密集地のひとつで地震基盤までの地質構造に関する情報が乏しく、また、既存重力探査データの解析から基盤の局所的な高まりが推定されている地域に、この高まり等の地震基盤の性状を確認すること、また、この付近に分布が想定されている上町・誉田・生駒断層の性状を確認することを目的に設定した。大和川南測線の位置を既存データ分布図に重ねたものを図4−1に、同位置を既存重力探査結果から推定された図3−8の基盤深度分布図に重ねたものを図4−2に示す。

大阪湾岸第2測線は追加調査として実施したが、大和川南測線同様、人口密集地のひとつで、既存重力探査データの解析から、北西方向に延びる尾根上の高まりが基盤に推定されている地域に、この高まり等の地震基盤の性状を確認することを目的に設定した。本測線の概略位置は先の図4−1及び図4−2に示した。

大和川南測線については第1回委員会(平成15年8月8日開催)にて、大阪湾岸第2測線については第2回委員会(平成15年10月31日開催)にて探査目的とその位置について了承された。

表4−3 P波反射法地震探査測線と対象とした地下構造

図4−1  P波反射法地震探査測線位置図(既存データ分布図に重ねて表示)

図4−2 P波反射法地震探査測線位置図

(既存重力探査による推定基盤深度分布図に重ねて表示)