5−2−2 田口断層
田口断層は男山丘陵の西縁をとおる断層であり、沖積面に変形を与えている断層として記載されている(近畿の活断層)。断層線は、枚方測線のCMP350〜450間の測線上に記載されており、反射法探査断面においては明確な断層落差は認められていない。しかし、CMP410〜470間の表層部において回折波が見られることより、地層が不連続となっている可能性は大きい。そこで、回折波が比較的明らかな深度300m付近以浅の明瞭な反射面をもとに、堆積層の落差を推定すると図5−14に示すとおりである。図5−14 田口断層の鉛直落差の推定
図5−14に示した反射面@は、大阪層群の海成粘土層Ma4と推定される地層であり、その落差は約60mとなる。また、反射面@の下位にある明瞭な反射面Aの鉛直落差は約70mと推定され、その反射面に対比される海成粘土層はMa1付近と想定されるが、その詳細な地質層準は不明である。