5−1 P波反射法地震探査結果による地質構造解析

図5−1に示すP波反射法地震探査3測線(枚方測線、高槻測線及び茨木測線)の解析結果について、図中に示している既存の反射法探査結果や国土地理院発行の都市圏活断層図による活断層線などを参考に、調査地域における地質構造について検討を行った。

本年度に実施したP波反射法地震探査で得られたおもな知見を、各測線毎にまとめて表5−1に示す。

表5−1 P波反射法地震探査により得られた知見

各探査測線における深度断面図と、地表における活断層線との詳細な関係について、縦横同縮尺の断面図として、図5−2図5−3図5−4に示す。

調査地域にあたる枚方丘陵地域は、市原編(1993)によって図5−5に示すような詳細な地表踏査による地質図が作成されており、それにより大阪層群の海成粘土層の地表における分布が明らかにされている。これらの既存資料と、反射法探査断面における反射記録の類似性をもとに、京都市による久御山−八幡測線と枚方測線のつながり、男山丘陵をはさむ両側の地域の対比、枚方断層の上下盤における地層対比などについて、枚方測線における探査結果に検討を加えた。それぞれの地域間における対比結果を時間断面図と深度断面図のそれぞれについて行った。その結果を示すと、図5−6図5−7のとおりである。

また、枚方測線の対比結果をもとに、同様にして高槻測線及び茨木測線の反射記録の対比結果を図5−6図5−7に併せて示す。これらの検討結果をもとに作成した、各測線における地質解釈断面図を図5−8図5−9図5−10に示す。

なお、各地質解釈断面図は深度方向の縮尺を水平方向のそれに比べ5倍に拡大して表示している。

以下に、枚方測線、高槻測線、茨木測線の各測線において、反射法地震探査結果から得られた地質構造の特徴を以下にまとめる。