9個の地震計は、測線沿いに一様なサンプリングとなるように、基本的に測点を中心に測線方向に前後約2.2mずつ離すと共に、振動方向が鉛直面内であるP波を測定対象とするため、地震計の主感度方向が鉛直となるように設置した。なお、この地震計の主感度方向は、振源の発振方向とも一致する。
地震計の地面への固定は図4−6に示すように、植栽部等においては地震計下部に付属しているスパイクを利用して直接地面に突き刺す方法を、アスファルト舗装部においてはピックスタンドと呼称する専用の金属スタンドに地震計を取り付ける方法を用いた。
図4−6 受振器の設置方法
探鉱機としてテレメトリ型のものを使用した。これは、増幅、A/D変換、スタック(垂直重合)、相互相関処理等を、受振器の近傍に設置したアンプボックス(RSU;リモートステーションユニット)で処理し、これら処理後のデータを収録(保存)のために観測本部内の探鉱機に伝送する遠隔処理収録システムである。受振点から観測本部内の探鉱機まで導くケーブル本数が少なく、多くの受振点のデータを同時に収録することが可能となっている。
使用したアンプボックス(RSU)は、4チャンネル(4受振点)分のデータ処理機能を有する。このため、4受振点(80m)毎にアンプボックスを設置し、アンプボックス間を1本のケーブル(DTC;デジタルテレメトリケーブル)で順次接続した。また、ケーブル接続したアンプボックス群の任意の位置で分岐させ、受振データのモニタ及び収録(保存)等のために観測本部内の探鉱機へケーブルを導いた。受振器、アンプボックス(RSU)、ケーブル(DTC)及び観測本部内の探鉱機等の接続状況を図4−7に示す。なお、標準同時収録チャンネル数を126チャンネルとしたため、発振時には、発振点近傍2,500m以上の区間の受振器を接続し、データを収録した。
図4−7 受振機材の接続方法